敬語本セッションのおしらせ

第21回ひと・ことばフォーラム特別公開研​究会のお知らせ

☆開催日時:2017年3月4日(土)13:00~17:20
☆会場:東京大学 駒場キャンパス 18号館コラボレーションルーム1
 http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/visitors/maps-directions/index.html
 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html

年度末のご多忙の時期とは存じますが、多くの方にご参加いただければ幸いです。教室、懇親会会場の都合上、ご参加を希望される方は運営担当の新井保裕(東京大学:arai.hoyu@gmail.com)まで、①お名前 ②ご所属 ③懇親会(下記参照)参加の可否、をあらかじめご連絡くださるようお願い致します。多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。

☆プログラム:
13:00-13:10 挨拶、趣旨説明など
13:10-14:40 【セッション1】敬語本を考える―何を伝える?何が伝わる?―
発表者:高橋圭子(フリーランス
討論者:佐藤陽二(研究社)、東泉裕子(東京学芸大学ほか)
概要:
 敬語は、人びとの間で関心の高いテーマであり、一般向けに敬語の仕組みや使い方を指南する本(以下、「敬語本」)も多数出版・販売されている。
 本セッションでは、昨年出版された敬語本の著者(郄橋)、企画立案・編集者(佐藤)が、敬語本にこめたねらいや意図を発表する。また、議論の的となっている表現の中から「(さ)せていただく」について、東泉がアンケートによる調査の報告をする。フロアからは、読者としての意見を忌憚なく聞かせていただきたい。それぞれの立場から率直に見解を交わし合うことで、現代における敬語本の意義や役割の一端について考えていきたい。

14:40-15:10 休憩
15:10-:17:00 【セッション2】SNSコミュニケーション:研究と教育にどう生かす?
発表者:三宅和子(東洋大学)、新井保裕(東京大学)、宮嵜由美(国立国語研究所
概要:
本セッションでは、SNSコミュニケーションを対象とし、言語を中核とした研究の実践例や自然データを示しながら、現代の社会生活に不可欠となったメディアを介したコミュニケーションの姿と変容を捉え、その研究と教育の可能性について考える。
【三宅和子要旨】
三宅はまずSNSの特徴を概観し、若者の間で最も利用されているSNSであるLINE使用の実態から、〈いま・ここ〉と密接につながったLINE上のやりとり例と、時空間に制約されない方言使用の例を取り上げ、「対面コミュニケーションとヴァーチャル・コミュニケーションの融合」が起こっていること、ヴァーチャル世界はすでに若者のリアリティーの一部として定着していることを示したい。
【新井保裕要旨】
新井はSNSコミュニケーションの中でもTwitterをとりあげ、省略現象の日韓対照を行い、各言語の特徴のほかにTwitterというメディアの特徴も反映されていることを指摘し、各メディアを利用した言語研究への提言を行う。またTwitterに限らずSNSデータの収集の困難さや、新井が自身の担当講義を通じて感じたSNSへの学生の関心、教育現場への応用の可能性も報告したい。
【宮嵜由美要旨】
宮嵜はLINEでの依頼の実験例を通して以下の2点に着目する。
1)依頼者双方にどのような負担が生じるか
2)2者間、3者間でのLINEによる依頼と受け手のフォロー
依頼にかかる負担は、依頼を行う側、受けた側双方に生ずるものであり、その負担はいくつもの側面を持つ。本発表では、その中でも「依頼を受けた側」が、どのように「依頼者の負担」をフォローしようとするのか、という視点を設け考察する。

17:00-17:20  挨拶・閉会
※フォーラム終了後、自由参加の懇親会(会費は一般5000円、学生・院生3000円)を開催しますので、こちらもぜひご参加ください。

本フォーラムは様々な言語現象を研究対象に「ことばと人はどうかかわるか」を考える研究グループです。 一般的な研究会と異なり、当会は「ゼミの延長のような、互いに学び合い前進する場」を目指します。そのため発表は完成版ではなく、構想や途中経過のお話を伺い、質疑応答を通して切磋琢磨できることを大切にします。問題点を指摘すること以上に、その問題点を克服する方法をみんなで考え、発表者・参加者共に自らの研究に新たなアイディア・ヒントをもらう…そんな学びの場になることを期待しています。また自分の発表について、分野の全く違う人間にわかってもらうつもりで、なるべく丁寧に説明する姿勢を大事にします。

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