思うこと

 アメリカの元大統領が直接足を運び、2名のアメリカ人記者が解放されました。何よりです。このニュースに接するたび、思うことをいくつか。


・大学院時代、ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』を読むゼミでの、教官の言葉を思い出します。いかなる理由であれ、国外で危機に陥っている自国民の生命と安全を守るのが、国民国家(nation state)なのである。どのような理由でそのような危機に陥ったのかは関係ない。
 今回の救出劇は、まさにそのお手本のようであると思います。このゼミの頃、日本では3人の日本人の若者がイラクで拘束され、自己責任論によるバッシングが激しく行われていました。その後、別の日本人の若者が1名、やはりイラクで拘束され、惨殺されました。
 日本の政府は、アメリカのようには国民を救ってはくれないのだ、ということを、日本人は肝に銘じておかなければ、と思います。東チモールでアグスの足跡をたずねる旅も、もしかしたら反独立派の残留兵に目をつけられるかも?

・TVでは特に気付かないのですが、A新聞ではいちいち、韓国系米国人、中国系米国人、と書いているのが気になります。ほかの新聞はどうなのでしょうか? この人たちが、アジア系でなくヨーロッパ系であれば、イタリア系とかアイルランド系とか、いちいちは書かないように思うのですが。

・関連して、TV・新聞とも、「女性記者」と、いわゆる「女性冠詞」をつけているところが多いようです。「記者」は、男性、というイメージなのでしょうか? 初の裁判員裁判のニュースでは、TV各局、女性記者も随分いたのですが、危険なところに取材に赴くのは、やはり男性なのかな?