ブブゼラ

 スポーツはするのも見るのも苦手な私にとって、世間でのオリンピックやワールドカップの盛りあがり方は遠い遠い出来事なのですが、それでもブブゼラという伝統楽器の名前は知るようになりました。
 たしかに、最初は驚きましたが、今やすっかりBGM、朝眠くて起きられない時など、「ブーブーブーブー」とブブゼラの音真似をして自分にエールを送っているこの頃です。


 そうしたら、フランスのケーブルテレビが、視聴者からのクレームにこたえ、ブブゼラの周波数を削除して、ブブゼラが聞こえないようにして放送している、というニュースを知りました。びっくり!!!


 うるさくて観戦に集中できないのだとか。じゃあ、観客の歓声やチャチャチャなどはいいの? たしかに音量が大きいかもしれないけれど、高校野球ブラスバンドだってなかなかの音量ですよね(昼寝できない)


 要は、自分たちに馴染みのないものへの違和感だと思います。それを、面白いな、と楽しむ心の余裕もないのか、と悲しくなります。自分たちの知らないもの=邪魔なもの=削除、という思考回路は、植民地の文化を根こそぎ否定した帝国主義の発想と何ら変わらないと思います。これが高じると、異民族抹消にもつながっていくのだと思います。


 フランスはリベラルで知的な人々の国だと思っていたのに、残念です。フランスよりもっと保守頑迷の人口の多い日本で、ブブゼラ排斥論が起こらないことを願います。