こまば散歩

 吉祥寺寄りの改札を出て右手の坂を上る。左側には井の頭線。右側に店が立ち並ぶ。
 坂の麓にある1階蕎麦屋は美味しくない。2階もんじゃ焼きやは感じが悪い。よくこれで何年も存続していると感心する。
 喫茶Dは、どうということのない普通の喫茶店のように思えるが、ママがTK大のI教授と懇意らしく、I教授のたちあげた新しい学問領域のポスターが貼ってある。I教授のゼミのコンパなどにも利用されている。(I教授は、俳優の中尾彬氏に風貌が似ている。アロハにサングラスで成田に行くと必ずスーツケースを開けられるそうで、他の人はそんな経験は一度もない、と聞いて憮然としていた。)
 コンビニCのお弁当はおいしくない。
 喫茶Cはママの愛想が悪く、ご機嫌をうかがいつつオーダーする必要がある。最初は驚くが、慣れると面白い。大勢で楽しく長時間お喋りするには不向きだが、1人静かに本でも読みながらコーヒーの香りを味わいたい時にはおすすめ。
 パン屋さん(名前を忘れた)は、美味しい! 朝早くからあいていて、便利。やや高いのが難点。
 喫茶Pのシフォン・ケーキは、はなまるのおめざにも紹介された。ここも、やや高い。
 さて、鰻屋M! ここが隠れた名店! 1番安いうな重1500円でも、肝吸い付きで、満腹になる! その上のをぜひ味わってみたいのだが、そのあと仕事にならないおそれがあるため、いつもこの1500円をお願いしている。満足至極。注文を受けてから大将がさばいて下さるので、待つ時間も含めてじっくり味わえる。浜松の某店(名前を忘れた)なんて、もっと高くて、もっと美味しくなくて、もっと愛想が悪かった!
 さて、このまま坂を上ると、民芸館やら近代文学館やらがあり、その周辺には更にコジャレたお店が点在するスポットがあるらしい。
 鰻屋の前を左折すると、踏切りの手前・右側に、駒場留学生会館がある。佐々木瑞枝氏『留学生と見た日本語』(新潮社)の舞台となっているところ。日本語教育を勉強し始めた頃読んだ本で、先日なつかしく読み返してみたが、現在に比べ、まだまだ日本語教育関連の教科書や辞書などなかった時代だったなあ、と、タイムスリップした気分。
 踏切りのむこうには駒場公園。結構広く、いわれのある水田とか見どころもいろいろあるらしい。晴れてあたたかい日にはお弁当も楽しめる。
 東京は、23区内にもこうして緑豊かな公園がいっぱいあり、正直、悔しい。私の住む横浜は、文化都市みたいな顔をして、こういった面でも、保育や介護等の福祉面でも、レベルが低く、それでいて住民税だけは高い。
 いつのまにか、話がこまば散歩からぐちにずれてしまった。いかん、いかん。皆さん、リポートはこういうことのないように、よく準備してから書き始めましょう。もしズレてしまった場合は、潔く、はじめから書き直しましょう。