最近読んだ本

 コメント有難うございました。
 宝塚のベルばらは、初演は「アントワネットとフェルゼン編」とのちに名付けられたヴァージョンで、池田先生の当初の構想に近い内容だったのではないかと思います。これは、アントワネットが中心で、オスカルとフェルゼンが脇を固め、アンドレは影が薄かったです。
 次いで、「オスカルとアンドレ編」が上演され、漫画に近くなりました。これは、アントワネットとフェルゼンは歴史背景のように影が薄い。。。
 宝塚ファンの間では、どちらのバージョンのほうが人気が高いのでしょうか?

 さて、タイトルの内容に移りたいと思います。
 話題の、堤未果氏『ルポ・貧困大国アメリカ』(岩波新書)を読みました。なかなかの迫力とショッキングな内容に、一息で読み終えました。
 このような話題を日本について扱ったもののオススメを、詳しい人に聞いたところ、橘木俊詔氏『格差社会:何が問題なのか』(岩波新書)をすすめられ、これもまたあっという間に読み終えました。
 2冊とも、内容については、各所でいろいろ語られていますし、私はドシロートですので、コメントは差し控えたいと思います。ショックだし、いろいろ考えさせられるし、おすすめします、ということだけ書いておきたいと思います。
 内容とは関係ないのですが、前者はジャーナリスト、後者は研究者が著者なので、話の運び方・論の進め方・実証の仕方など、それぞれの特徴がよく出ているなあ、と感じました。どちらがいい、ということではなく、それぞれの違いなのですが、大学でのレポートや論文では、後者のタイプが求められますので、そこは、気をつけていただけたら、と思います。
 さて、もう1冊、倉本一宏氏『一条天皇』(吉川弘文館人物叢書)を読みました。1つ1つの記述に、裏づけとなる史料が克明に記述されています。当たり前のことではありますが、歴史研究だけでなく、いろいろな分野の研究に求められる、基本的な大事な姿勢であると痛感しました。

 さて、キャスティングの続きですが、一条天皇に困っています。優しく、でも優柔不断ではなく、自分の意志も貫く時は貫くけれど、摂関家への気配りも忘れず、政局・時流を的確に見抜き、聡明で、でも、短命だったのは、優しすぎたためではないでしょうか…? 坂東玉三郎さまにお願いできるでしょうか…?

 あと、道長の長兄で、定子・伊周(これちか)らの父である道隆(みちたか)ですが、中尾彬氏はどうでしょう? 美食家で、お酒が好きで、糖尿病で命を縮めましたが、なかなかバイタリティーのある人物だったようです。
 でも、ボンボン育ち故の判断の甘さのような部分もあるので、石塚なんでしたっけ、イシちゃんと呼ばれる彼でもいいかもしれません。
 中尾彬氏には、道隆・道長兄弟の父で、兄の兼通(かねみち)と政権をめぐって壮絶なバトルを繰広げた兼家(かねいえ)のほうが、あのアクの強さが似合うかもしれません。
 道隆の妻の高階貴子(たかしなきし)は、才学を鼻にかけて貴族社会からキラわれてしまった、西川史子氏はどうかな、と思います。そうすると、やっぱり道隆はイシちゃんかな。