「現代語文法」へようこそ!

 4月1日、新年度です。あけましておめでとう、ではないのですが、何か、挨拶したくなります。今年度も、どうぞよろしくお願いします。
 学生の皆さんは、履修登録や、5月の土曜1期スクーリングの手続きや、いろいろ大変だと思いますが、どうぞ、「現代語文法」をお忘れなく、ご贔屓のほど、何卒よろしくお願いします。
 「文法」というと、あまり好感度の高くない言葉なのですが、何とか楽しんでいただけるよう、手をかえ品をかえ、努力していきたいと思っています。文法規則の棒暗記なんて、そんなつまらないことは絶対しません!(本当?できるの?)そもそも、古典文学の世界から現代日本語に引っ越して来たのも、生きている、生身の人間とのコミュニケーションに、興味を持ったためなのです。その初心を忘れず、皆さんにも生きた言葉の楽しさを味わっていただけるよう、誠心誠意、頑張ります!(頑張れ!掛け声倒れになるなよ!)
 では、ここで少々問題です。学校文法で教わる「連用形」を、日本語教育では「ます形」「て形」「た形」などと別々の活用形として教えることが多いのですが、そのメリットは、どんなところにあるでしょう? 音便によって形が違うから、という実際上の理由のほかにも、このように分けたほうが、のちのち、便利になる理由があるのです。
 学生さんの中には、日本語教師をなさっている方もいらっしゃるようですが、そうでない方は、一度、本屋さんか図書館で、日本語の教科書を眺めてみると、私たちが母語として何気なく身につけたこの言葉を、学習者がどのようなステップを踏んで習得していくよう設計されているか、興味深いと思います。
 誤解のないように、この科目は「日本語教師養成講座」ではありません。(役に立つとは自負していますが。)ではなぜ、たびたび、日本語教育に言及されるのでしょうか? 「外国人よりまず日本人に分かるような文法を考えてほしい」という声を耳にすることもあります。このような意見については、どう考えますか?