「実際の用例」について

 コメント有難うございました。4月1日(他の日も)のブログをあらためて読み返してみると、いかにも「教師」然とした物言いで、恥ずかしい。。。叱咤激励、ご指導ご助言、今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、「現代語文法」の課題に頻出する、「実際の用例」について質問をいただきました。どこからとればいいのか、新聞・小説以外にはどのようなものがあるのか、HPは例えば文科省などはいいのだろうが、その他はどのようなところならOKなのか?というものです。
 「実際の用例」は、何でもOKです! 例えば、私のこのブログに「ら抜き言葉」があったり、「全然+肯定形」などが出ていれば、それらの「実際の用例」として挙げていいのです! 先週から始まった朝ドラの「瞳」(また見ています)で、西田敏行さん扮する祖父が、「一生懸命育ててきたですよ」と言っていました。これは、先日書いた漱石『門』の「しくじるです」と同様、私が現在興味を持っている「動詞+です」の「実際の用例」です。また、先日も書きましたが、自分自身やりとりしているメールの中に「お願いできますでしょうか」という「実際の用例」もありました。
 この他、CMでも、広告のチラシでも看板でも、DMでも留守電の中のメッセージでも、何でもOK! 「実際に」使われている言葉なのですから。

 HPの、文科省なら云々というのは、参考文献としてネットを利用する場合の注意との混同ではないかと思います。インターネットは情報の宝庫ですが、質的には玉石混交なので、その内容を鵜呑みにして引用するのではなく、よく吟味する必要があります。例えば、敬語についてなどは、専門家から一般の方まで百家争鳴、各自の持論が展開されていますが、裏づけや実証のない、個人の単なる感想(憤慨)も多く、それをそのまま論文やリポートの参考文献として利用するのはよろしくありません。高名な研究者のサイトだからといって、全て学問的裏づけのある研究論文であるとは限らず、論文には書けないような私的な思いを綴られたページもよくあります。インターネットの豊富な情報は、考えるためのヒントとしては大いに活用してほしいのですが、その裏づけを、教科書なり辞典なり参考書なりで、きちんととってから利用する必要がある、ということです。

 また今日も、「教師」然とした物言いになってしまいました。。。