「カイロは快晴だよ」

 新婚間もない頃、フルタイムの共働きで、私は仕事と慣れない家事との両立、いえ、共倒れの中、カリカリしていました。雨が続き、乾燥機を買いたいと言いつつ買いに行く時間も体力の余裕もなく、部屋干しの洗濯物が乾ききらないうちにもう次の洗濯物が溜まり。。。私は、汚れていないと判断すれば、2日ほど同じものを着て洗濯物削減に努力しているのに、夫は、いとも気楽にちょっと着ただけのTシャツ、ちょっと使っただけのタオルをどんどん入れてきます。洗濯物一つとっても、こんなに私は煮詰まっていました。
 或る朝、また雨で、私は何度もこぼした愚痴をまたこぼしました。「また雨!洗濯物どうしよう!」夫は言いました。「カイロは快晴だよ」その時、TVでは、世界の天気をやっていました。
 そのとたん、洗濯籠をかかえてカイロ行きの飛行機に乗っている2人の姿が脳裏に浮かび、私の肩からどっと力が抜けた気がしました。頑張らなくていい、できる範囲で、リラックスして、楽しみながら、暮らしていけばいい。そう思うと、どっと気持ちがラクになりました。
 自分ではそうは思っていなかったのですが、夫に言わせると、私は完璧主義者だ(った)そうです。やめてみると、部屋が散らかっていても、今夜のおかずが手抜きでも、たいしたことはない、十分、生きていけることがわかりました。カンペキを目指してカリカリするより、気持ちがずっとラクになりました。。。
 というと、いかにも自然体でのびのび暮らしているように聞こえますが、実は単なるナマケモノ、ぐうたらの言い訳かも。。。