りてらしー

 2日連続、英語由来の仮名書きタイトルですみません。カタカナ語の氾濫に眉をしかめる方も多く、私も適切な和語・漢語があればそれで表現するのがよい、とは思いますが、ぴったり合う言葉が見つかる、ということはなかなかなく、カタカナ表記の語が増えていくのが実情です。。。

 リテラシー(literacy)という言葉の原義は、文字の読み書き能力です。文字の読み書きができるかできないか。そこから、拡大的に用いられ、情報リテラシーメディア・リテラシー、などという言葉が最近は多く用いられています。情報やメディアを読み解く能力、ということです。

 テレビや新聞などのマスメディアには、「事実」を「正確」に伝えるもの、という神話があります。しかし、「事実」とは何? 誰が・いつ・どこで・何をした、というだけなら主観の入る余地はないように思われるかもしれませんが、そのような「事実」の何を伝え、何を伝えないかは、メディア側の判断です。また、「事実」の背景や意味づけなどは、伝える側の解釈ですから、100%客観的ということはありえません。映像なども、どのような角度からどの程度の明るさでどう撮るか、によって、印象は相当違います。そのようなメディアの特性・しくみを知って、そこから得られる情報を判断できる力が、昨今話題になっているリテラシーです。こういったことについての基本文献が、菅谷明子『メディア・リテラシー』(岩波新書)です。

 大学での勉学にも、当然、リテラシーが求められます。教科書や参考書に書いてあったから、担当教員や有名な学者が言ったから、インターネットに書いてあったから、テレビで言ってたから、新聞に載っていたから。。。などという理由で安易にその内容を鵜呑みにしてはいけないわけです。氾濫する夥しい量の情報を吟味し取捨選択できるリテラシーが必要なわけです。

 ということは知っているつもりでいましたが、『インタビュー術!』(講談社現代新書)を読んで、あらためて、あ、そういえばこれもそうだったのか!と思いました。インタビューは、編集されているもの。実際にその通りが質問され答えられたわけではない。順番も内容も。カットされるものも随分ある。インタビュアーの感想・主観が入ることもある。難しげな装いでなく、軽いタッチで書かれているので、気楽に読み始めたのですが、途中から心構えを改めました。こういう内容の本がわかりやすく一般向けに手に入りやすい形で出版されていることは喜ばしいな、と思いました。巻末のブックリストも、なかなか手ごたえのある、粒ぞろいのラインナップです。