貧困

 昨年,「格差社会」についての本を読んだ,というブログを書きましたが,もう「格差」どころではない,今は「貧困」・・・


 派遣村村長としても話題になった湯浅誠氏の講演を,週末,聞きに行きました.予習のため,『反貧困』(岩波新書)を読み,講演後は会場で買った『貧困襲来』を読み,夜はNHKで3時間にわたって非正規雇用・派遣の問題を扱っていました.
 湯浅氏は,午前に横浜での講演を終えたあと,すぐ新潟に向かわれました.夜のNHKに,もう出演なさっていました.
 どっと疲れました.


 考えたこと,読んでよかったことはいろいろありますが,まだよく頭の中が整理できていません.今の時点で書けることは,
 1)湯浅氏の著書・講演は,現状の嘆きだけで終わっていない.だから,今,私たちは何ができるか,何をすべきか,という具体的提言が必ずある.だから,私たちは現状を憂えるだけでなく,自らの行動を考えることができる.これはひじょうに素晴しい点だと思います.
 2)「自己責任論」に立ち向かおう!「死に物狂いで頑張れば何とかなるはず.そうならないのは努力が足りないせい」というロジックの欺瞞を暴いてくれています.自分自身を責めないために,苦しい人たちをより苦しめることのないように,昨今あらゆる分野にはびこる「自己責任論」と戦わねば,と思います.

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)


 翻って,高校教員時代,授業料や修学旅行費用滞納の家庭の現実を,私はどこまで理解し得ていたか,忸怩たる思いです.延滞金を追加されたり,ガスや電気みたいに止められたりすることはないので,これらの支払いは最後の最後に回されていました.その致し方なさを,当時の私はどこまでわかっていたでしょうか・・・? 中退したあの子たち・この子たち,今頃どうしているでしょうか・・・?


 大河の信長を初めて御覧になった方々:「よしかわ」ではなく「きっかわ」ですので,どうぞよろしく!以後,お見知りおきのほどを!


 最後に明るい話題で?,締め括ってみました.