旅の報告(3)ロンボク編

090822-02


 ADBMIオフィスでミーティング。
 組織の名称ADBMI Lotimは、Advokasi Buruh Migran Indonesia, Lomboku Timurの略で、英語名は、Advocacy for Indonesian Migrant Workers of East Lombok


 ADBMIには7人(男性5・女性2)の専従スタッフと5人のフィールドワーカー(FW)がいる。専従は固定給で、FWは歩合制である。1人のFWが2つの村を担当しており、現在、10の村でFWが活動している。7つが農村、3つが漁村。この10の村は、地理的条件や経済状況などを勘案して選定された。今年中に、活動のフィールドがあと10村増える予定である。当然もっとFWが必要になるのでインターネットや公の貼紙などいろいろな形で募集している、とのこと。これ以外にも多くの村で、CBO(Community Based Organization)と呼ばれる現地スタッフが活動している。
 村の多くに、小学校はあるが、中学はないことも。遠く、費用がかかる(学費は無償だが、教科書・文房具・制服などさまざまな費用がかかる)と、途中でやめてしまうケースが多くなる。そのため、大半の人の学歴は小学校卒業どまり。特に、女性は小学校卒業後12〜13歳で結婚することもある。


 現在、東ロンボク農業の主軸はタバコである。タバコは畑でとれた葉をスライスして天日乾燥させる。それを倉庫に保管しガソリンでいぶす。できたものをジャワの業者に売っている。インドネシアのタバコの60%は東ロンボク産、とのこと。
 タバコは、乾季の5月から10月にかけて生産される。この6ヵ月間で地主が1000万ルピア(約10万円)の収益をあげても、小作人20人には200万ルピア(約2万円)のみ。
 農民のおおよその平均月収は、タバコのシーズンには約40万ルピア(約4000円)。米が自給できれば、その他の生活費は約20万ルピア(約2000円)でまかなえるので、十分足りる。しかし、これ以外の季節にはタバコの収入はない。また、米が自給できなければ、5人家族で50kgの米を購入するとして、1ヵ月約25万ルピア(約2500円)が必要になる。
 不足分は、親族や近隣の相互扶助(ゴトンロヨン)、副業としてのハンディクラフト製作、海外への出稼ぎなどでまかなわれている。

 
 ADBMIの資金源は、マイクロファイナンスファシリテーター派遣、コンピューターやプロジェクターの貸出、ニュージーランドインドネシアなどのいくつかの組織からの援助など。日本の「あい・あい・ネット」からは、村に対する分析方法やフィールドの選定方法、活動方法などについて学んでいるが、資金援助は受けていない。
 会計担当者のムナンから、会計報告書のコピーをもらった。
 一同で記念写真を撮り、トイレ(イスラム式、電灯なし)を借り、ADBMIの車で13時頃出発した。