くにとひと

 今朝「大王世宗(テワン・セジョン)」を見ていたら、「どこで生まれた者であろうと、朝鮮に住みついている者はすべて朝鮮人だ」という言葉が2度出てきた。


 1度目は腹心の側近。釜山に住んでいる日本人を皆殺しにしようとしていた将軍は、こう言って上王の命令に背き、反逆者として処刑される。それを見ていたセジョンが2度目この言葉を繰返し、今日の放送は終わり。


 高麗の残党が滅ぶあたりから世子争いまで、毎日毎日息つく暇もなく佳境の連続、集中し過ぎて見終わるとぐったり疲れていたが、主人公が世子となり王位につくあたりからちょっと中休みが訪れていた。今日は久しぶりに緊張した。


 「日本で生まれて日本に住みついている者でも、帰化の手続きをとらない者は日本人ではない」という日本への痛烈な皮肉にも聞こえた。


 国籍決定にあたり、日本は血統主義、しかしアメリカなど出生主義の国も多い。アメリカで生まれさえすれば、親の血統がどこの国の出身であろうと、生まれた子はアメリカ国籍をとれるのだ。だから移民2世以降は皆アメリカ人である。日本の在日コリアンや中国人は、すでに4世、5世、6世・・・の時代を迎えているが、相変わらず外国人である。外国人登録者数が200万人を越えたと騒いでいるが、半数以上は出生主義であれば外国人ではない。


 化粧品だか何だかのCMで、「忙しい日本のお母さんへ」と呼びかけていた。日本人のお母さんという意味か日本に住んでいるお母さんという意味か不明だが、この会社は、世界に向けて自社の製品を売ろうという気持ちはないのかな、と思えた。日本のTVを見ている消費者は全員「日本の〜」なのかな。何も考えずに作られ放映されているCMなのかな。・・・考えたうえでのことであったらおそろしいけれど。

在日外国人 新版―法の壁、心の溝 (岩波新書)

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